【ざしき童子のはなし】宮沢賢治が描く “見えないやさしさ” に気づく絵本レビュー

ざしきわらじの話 ▶6〜8歳向け絵本

絵本『ざしき童子のはなし』は、宮沢賢治の童話を絵本化した作品です。
「ざしき童子(わらし)」という東北地方に伝わる神秘的な存在を通して、
見えないものを信じる心、やさしさや幸福の形をそっと語りかけてくれる物語です。
静かで美しい語り口と幻想的な挿絵が心に残る、親子で味わいたい一冊です。

📖 この絵本との出会い

図書館の「日本の名作童話コーナー」で見つけた一冊。
息子が「ざしきわらしってなに?」と首をかしげたことから読み始めました。
読み進めると、目に見えない“しあわせ”や“やさしさ”を感じ取れる内容に、親子で引き込まれました。
昔話のようでいて、どこか現代にも通じる深いメッセージがありました。

📚 こんな場面におすすめ

  • 🏠 日本の昔話や民話に興味を持ち始めた子どもに
  • 💫 目に見えない存在や“思いやり”を感じてほしいとき
  • 👨‍👩‍👦 親子で「幸せとは何か」を話したいときに
  • ✍️ 宮沢賢治作品に初めて触れる読書感想文にも

📘 絵本の内容

ざしき童子は、家に幸せをもたらすといわれる子どもの姿の精霊。
人によっては見える人もいれば、まったく見えない人もいます。​
物語の中で主人は、ざしき童子が本当にいたのかどうかを確かめようとしますが、
結局、その姿をはっきりと見ることはできません。けれども、心の中に残るぬくもりや静かな幸福感が、「ざしき童子」の存在を確かに感じさせてくれます。​
岩手県の伝承をもとにした4つの短いオムニバス形式の物語になっており、美しい絵と淡々とした語りで、子どもたちの遊びに座敷童が紛れ込むエピソード、家の守り神としての側面などが描かれています。

ぱぱ
ぱぱ

このお話は、子どものころに読んだときと、親になってから読んだときでまったく違って感じました
昔は“こわい話”だと思っていたけれど、今は見えないけれど確かにある幸せを描いていると感じます。
静かな絵本ですが、読後に心がじんわり温かくなりました。

ぼく
ぼく

ざしきわらしってちょっとこわいけど、ほんとうはやさしいのかも。
見えなくても、いいことをしてくれるってすごい!
ぼくの家にも来てくれたらいいなと思った。難しい言葉がたくさん出てきたけど、ぱぱに聞きながら読んだよ。

⭐ 絵本レビュー評価(5段階)

評価項目評価コメント
内容のわかりやすさ★★★★☆幻想的だが、語りがやさしく子どもにも伝わる
イラスト・デザイン★★★★★昔話の世界を丁寧に表現した美しい挿絵
子どもの共感度★★★★☆“見えないけれどいるかもしれない”というワクワク感
学び・教養の深さ★★★★★宮沢賢治の精神性に触れられる
親子で楽しめる度★★★★★読み聞かせにもぴったり。静かな夜におすすめ。

🔍 まとめ

『ざしき童子のはなし』は、宮沢賢治が伝えた“見えないものを信じる心”を感じられる絵本です。
派手さはありませんが、読み終えた後の静かな余韻が心に残ります。宮沢賢治らしい幻想的な語りとやさしい余韻が心に残る名作です。
親子で読むと、「やさしさ」「思いやり」「幸せとは何か」を自然に語り合えるでしょう。
日本の美しい心や言葉にふれる図書としておすすめです。

📝 絵本データ

  • 書名:ざしき童子のはなし
  • 原作:宮沢賢治
  • 発行年:原作1934年/絵本版2000年代刊行
  • ジャンル:日本の名作童話・民話絵本

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