夏休みの読書感想文の課題図書を調べていて、このタイトルが気になりました。「ひとりで歩く」——シンプルなのに、なぜか胸に刺さるタイトルです。2026年(第72回)青少年読書感想文全国コンクール・小学校中学年の部の課題図書に選ばれた本書は、視覚障害のある少年ハイメが「初めて一人でバスに乗って帰る」冒険を描いた物語です。
パパ障害のある子が主人公の本というと、なんとなく重い話を想像していたんですが、読んでみたら全然違いました。ハイメがとにかく前向きで、読んでいて元気が出てくる。



ハイメって目が見えないのに、バスに一人で乗るの!?ドキドキしながら読んだよ!
『それからぼくはひとりで歩く』はどんな本?あらすじ紹介
舞台はメキシコ。主人公のハイメは、視覚障害(全盲)のある11歳の小学5年生。特別支援学校から地域の小学校に転入したばかりで、クラスで視覚障害があるのはハイメただ一人です。
ある日、学校のスケジュールが急に変更になります。携帯電話を兄に貸してしまっていたため、お母さんに連絡できない。気になっている女の子・パウリーナを家まで送ることになったハイメは、思わぬ流れでふだんは絶対に一人では乗らないバスに乗って帰ることになってしまいます。
バスの中で思わぬトラブルが起き、知らない場所の市場(メルカド)で降りてしまうハイメ。目が見えない状態で、知らない場所に一人——。次々と押し寄せる困難を、ハイメはどう乗り越えるのか。朝6時15分から始まる一日の冒険を描いた物語です。
書籍情報
| タイトル | それからぼくはひとりで歩く |
| 作 | アリシア・モリーナ(メキシコの児童文学作家) |
| 訳 | 星野由美 |
| 絵 | 犬吠徒歩 |
| 出版社 | ほるぷ出版 |
| 発行 | 2025年6月 |
| 定価 | 1,595円(税込) |
| ページ数 | 108ページ |
| 対象 | 小学校3・4年生以上 |
| 課題図書 | 第72回青少年読書感想文全国コンクール・中学年の部 |
実際に読んでみた感想
「障害のある子の物語」と聞くと、どこか構えてしまいがちです。でもこの本は違いました。ハイメは視覚障害を「不幸」として描かれていない。むしろ、耳で音を楽しみ、手で手触りを感じ、鼻で匂いをかいで世界を豊かに生きている。それがまず新鮮で、ぐっと引き込まれました。



サッカーを音で楽しんでいるって書いてあって、それがすごく印象的でした。目が見えないのにどうやって?って思ったら、音の鳴るボールを使うんですね。工夫次第でできないことなんてないんだな、と。



ハイメって映画も好きなんだよ!目が見えないのに!声と音楽だけで楽しめるんだって。そういうの、考えたことなかったな。
物語のクライマックス、バスを一人で乗り降りするシーンはドキドキしながら読みました。視覚に頼れない状況でのリアルな困難——乗客にじろじろ見られること、リュックを忘れてしまうこと、市場で商品を倒してしまうこと。読んでいて思わず「大丈夫か、ハイメ!」と声をかけたくなります。



市場のところ、ドキドキしすぎてページめくるのこわかった……。でもハイメ、あきらめなくてかっこよかった!



おじいちゃんとのやりとりが特によかったな。「おまえならできる!」ってずっと信じてくれてる存在がいるって、どれだけ心強いか。
この本ならではの魅力3つ
① 障害を「ふつうの一部」として描いている
著者のアリシア・モリーナは、娘に障害があります。「障害のある子が幸せに生きている物語が見当たらなかったから自分で書いた」と語っています。この本にあるのは「視覚障害についての物語」ではなく「ハイメというひとりの男の子の冒険物語」。障害は悲劇の原因ではなく、ハイメを構成するひとつの要素として自然に描かれています。
② 読者も一緒に「五感の旅」をできる
視覚情報が制限されるぶん、この物語は音・匂い・手触り・味の描写がとても豊か。朝ごはんを作る音、手編みのベッドカバーの感触、市場の賑わいの音——ページをめくりながら、読む側も自然と「視覚以外の感覚」で世界を感じるようになります。読後は日常の見え方が少し変わる体験ができます。
③ 巻末の「点字」付録が学びになる
物語の最後に、点字の基本的な仕組みが解説されています。ハイメが点字でおじいちゃんの言葉を書き留めるシーンの後に読むと、点字がぐっと身近に感じられます。子どもと一緒に「点字って?」と話すきっかけになりました。
読書感想文の書き方【2026年課題図書・中学年】
書き方のポイント3つ
- 「はじめて一人でやった体験」と重ねる——初めて一人でお使い、自転車の練習、一人で習い事に行った日……自分の体験と結びつけると書きやすい
- ハイメの気持ちの変化に注目する——不安 → 困難 → 乗り越える、という流れを追って自分はどう感じたかを書く
- おじいちゃんの言葉「おまえならできる!」を軸にする——自分を信じてくれる人の存在について書くと、まとめが書きやすくなる
書き出し例文3パターン
📝 体験型(自分の経験から始める):
「わたし(ぼく)が初めて一人でお使いに行ったとき、すごくドキドキしました。この本を読んで、そのときの気持ちを思い出しました。」
📝 共感型(ハイメの場面から始める):
「ハイメが知らないバスに一人で乗るシーンを読んで、わたし(ぼく)はドキドキが止まりませんでした。もし自分だったら、どうしただろうと考えながら読みました。」
📝 問いかけ型(疑問から始める):
「目が見えなくても、一人でバスに乗れるのでしょうか。この本を読む前、わたし(ぼく)はきっとできないと思っていました。」
感想文の構成テンプレート(原稿用紙3〜4枚)
| パート | 書く内容 | 分量の目安 |
|---|---|---|
| ①書き出し | 印象に残ったシーン or 自分の体験から始める | 約150字 |
| ②あらすじ(短く) | 「ハイメという〜の物語です」と1〜2文でまとめる | 約100字 |
| ③自分の体験・考え | ハイメの場面と自分の経験を重ねて書く | 約700字 |
| ④まとめ | 「この本を読んで〜したいと思った」で締める | 約250字 |
③自分の体験・考えの書き方ヒント
- 「ハイメが〇〇したとき、わたしは〜と感じました」
- 「自分が〇〇したときのことを思い出しました。そのとき〜」
- 「ハイメのように〇〇することは、わたしには〜だと思います。なぜなら〜」
- 「おじいちゃんの言葉『おまえならできる』を読んで、〜を思い出しました」
こんな子・こんな家庭におすすめ
- ✅ 「初めて一人でできた体験」がある子(お使い、習い事など)
- ✅ スポーツや習い事で「うまくいかない壁」にぶつかっている子
- ✅ 「障害」や「バリアフリー」に興味が出てきた子
- ✅ 親子で多様性・共感について話したいご家庭
- ✅ 外国の文化・メキシコの日常に興味がある子
- ✅ 冒険・ドキドキの物語が好きな子
まとめ:「ひとりで歩く」勇気を、親子で感じてほしい1冊
『それからぼくはひとりで歩く』は、障害のある子の物語でありながら、どんな子にも刺さる「はじめての挑戦」の物語です。ハイメの冒険を追いながら、自分が初めて一人で何かをやり遂げたときの緊張と達成感を思い出させてくれます。



読後、息子に「あなたが初めて一人でできたことって何?」と聞いてみたら、たくさん出てきました。そういう会話のきっかけをくれる本って、本当にいいですよね。



ハイメみたいに、ちょっとこわくてもやってみようって思えた!おじいちゃんみたいに、ぼくのことを信じてくれる人がいるって気づいた。
読書感想文の課題図書としても、「自分の体験と重ねやすい」「書き出しのパターンが豊富」という点で非常に書きやすい1冊。ぜひ手に取ってみてください📚
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