「子どものころに好きだった絵本、覚えていますか?」
X(@ehon_yomi)でこう聞いてみたところ、フォロワーさんがそれぞれの思い出の一冊を教えてくれました。「本屋さんで初めて自分で選んだ」「幼稚園で読んだ」「内容より絵が好きだった」——本といっしょに、出会った場所や覚えている場面まで書いてくれた方もいます。
教えてもらった絵本は全部で10冊。そのうち9冊は今でも新品で買えて、しかも7冊は1970年代までに出た本でした。何十年も読み継がれてきた本ばかりです。
そのうち6冊を図書館で借りて、息子と読んでみました。教えてもらった思い出と、わが家の反応をあわせて紹介します。
読者ママ自分が子どものころに読んだ絵本って、今の子が読んでもおもしろいんでしょうか? 古くさく感じないか心配で……。



結論から言うと、楽しめました。6冊読んで、4冊は息子がすごく気に入った本です。反応がふつうだった本も、正直に書きますね。
Xで教えてもらった「子どものころ好きだった絵本」9冊
上から、息子と読んだ6冊(反応がよかった順)、今回は読めなかった3冊です。
| タイトル | 作・絵 | 発売 | 出版社のおすすめ年齢 | わが家 |
|---|---|---|---|---|
| 14ひきのあきまつり | いわむらかずお | 1992年 | 3歳〜 | ◎いちばん |
| ねずみくんのチョッキ | なかえよしを・上野紀子 | 1974年 | 3・4・5歳〜 | ◎ |
| ちいさいおうち | バージニア・リー・バートン | 1965年 | 4・5歳〜 | ◎ |
| 王さまと九人のきょうだい | 君島久子・赤羽末吉 | 1969年 | 5・6歳〜 | ◎ |
| ぞうくんのさんぽ | なかのひろたか | 1977年 | 2歳〜 | ○ふつう |
| ノンタンおばけむらめいろ | キヨノサチコ | 1991年 | 3・4歳〜 | ○ふつう |
| かみながひめ | 有吉佐和子・秋野不矩 | 1970年 | 3・4・5歳〜 | 未読 |
| しろいうさぎとくろいうさぎ | ガース・ウィリアムズ | 1965年 | 4歳〜 | 未読 |
| かわいそうなぞう | 土家由岐雄・武部本一郎 | 1970年 | 掲載なし | 未読 |
※発売年・出版社のおすすめ年齢は絵本ナビの掲載情報です。『ちいさいおうち』『しろいうさぎとくろいうさぎ』は日本語版の発売年です。◎=息子がすごく気に入った、○=反応はふつう。
息子と読んだ6冊|教えてもらった思い出と、わが家の反応
【息子のいちばん】『14ひきのあきまつり』
作:いわむらかずお/童心社/1992年/出版社のおすすめ年齢:3歳〜(絵本ナビ掲載)
野ねずみの大家族14ひきのシリーズから、秋のお話です。森でかくれんぼをしていたら、ろっくんだけが見つからない。探しているうちに森の奥へ入っていき、くりくり頭の「くりたけきょうだい」に出会って……。落ち葉やキノコまで細かく描かれた秋の森の絵が見どころで、ちょうど今の季節に読める一冊です。
💬 教えてもらった思い出:「14ひきのシリーズ」を挙げてくれた方の思い出は、「内容というより絵が好きだった」。わが家はシリーズの中から『あきまつり』を借りました。
📖 わが家で読んでみた:6冊の中で、息子がいちばん気に入ったのがこの本です。教えてくれた方が「絵が好きだった」と書いていたとおり、ページのすみずみまで見たくなる絵の本でした。



ろっくん、見つけるの楽しい。
【すごく気に入った】『ねずみくんのチョッキ』
作:なかえよしを/絵:上野紀子/ポプラ社/1974年/出版社のおすすめ年齢:3・4・5歳〜(絵本ナビ掲載)
おかあさんが編んでくれた赤いチョッキを、あひるくん、さるくん、あしかくん、ライオンくん……と動物たちが「ちょっと きせてよ」と次々に着ていきます。チョッキはどんどんのびて——。最後のページの展開を覚えている大人も多い、50年以上続くロングセラーです。
💬 教えてもらった思い出:「本屋さんで初めて自分で選んだ本」だそうです。
📖 わが家で読んでみた:息子はすごく気に入りました。出版社のおすすめ年齢は3歳からですが、小学生になっても楽しめる一冊でした。



ねずみくんのチョッキ、丈夫すぎ。
【すごく気に入った】『ちいさいおうち』
文・絵:バージニア・リー・バートン/訳:石井桃子/岩波書店/1965年/出版社のおすすめ年齢:4・5歳〜(絵本ナビ掲載)
静かな田舎の丘に建つ「ちいさいおうち」。まわりに道路ができ、ビルが建ち、電車が走り……おうちは同じ場所にいるだけなのに、景色がどんどん変わっていきます。時の流れそのものが主役のような絵本です。アメリカで1942年に出版され、コールデコット賞を受けた名作。2019年には原作に近い色で印刷し直した改版が出ています。
💬 教えてもらった思い出:「子どものころ好きだった絵本」として教えてもらいました。
📖 わが家で読んでみた:息子はすごく気に入りました。日本語版が出てから60年以上たつ本ですが、古さはまったく問題になりませんでした。



おうちが引っ越しするって、すごい。
【すごく気に入った】『王さまと九人のきょうだい』
訳:君島久子/絵:赤羽末吉/岩波書店/1969年/出版社のおすすめ年齢:5・6歳〜(絵本ナビ掲載)
「ちからもち」「くいしんぼう」「ながすね」「さむがりや」……名前がそのまま特技になっている九人のきょうだいが、王さまの無理難題を次々に切り抜ける、中国の少数民族・イ族の民話です。絵は『スーホの白い馬』の赤羽末吉さん。
💬 教えてもらった思い出:『ねずみくんのチョッキ』と同じ方が、あわせて教えてくれた一冊です。
📖 わが家で読んでみた:息子はすごく気に入りました。絵本としては文字が多めですが、読みごたえのある一冊でした。



9人きょうだいって大変!!
【反応はふつう】『ぞうくんのさんぽ』
作・絵:なかのひろたか/福音館書店/1977年/出版社のおすすめ年齢:2歳〜(絵本ナビ掲載)
さんぽに出かけたぞうくんが、とちゅうで会ったかばくん・わにくん・かめくんを、つぎつぎに背中に乗せていくお話です。みんなが縦に積み重なって、だんだん危なっかしくなって……最後は「どぼーん」。くり返しの楽しさが詰まった一冊です。
💬 教えてもらった思い出:「幼稚園で読んだ」という思い出といっしょに教えてもらいました。
📖 わが家で読んでみた:息子の反応は、ふつうでした。出版社のおすすめ年齢は2歳から。くり返しを楽しむ本なので、読むなら幼児のうちがいちばん合いそうです。



ゾウもカバもワニも、みんななかよさそう。
【反応はふつう】『ノンタンおばけむらめいろ』
作・絵:キヨノサチコ/偕成社/1991年/出版社のおすすめ年齢:3・4歳〜(絵本ナビ掲載)
ノンタンといっしょに、カラカサおばけを追いかけて迷路を進む絵本です。「ノンタン あそぼうよ」シリーズの14巻目。読むというより指でなぞって遊ぶ本です。
💬 教えてもらった思い出:『かわいそうなぞう』と同じ方が教えてくれました。
📖 わが家で読んでみた:息子の反応は、ふつうでした。出版社のおすすめ年齢は3・4歳から。迷路で遊びはじめる幼児のほうが夢中になれそうです。



めいろ、簡単。
今回は読めなかった3冊【わが家は未読・参考枠】
残りの3冊は、今回は借りられませんでした。読んでいないので感想は書けませんが、教えてもらった思い出と、どんな本かを紹介します。
『かみながひめ』
作:有吉佐和子/絵:秋野不矩/ポプラ社/1970年/出版社のおすすめ年齢:3・4・5歳〜(絵本ナビ掲載)
髪の毛が生えなかった娘が、母の必死の祈りで美しい黒髪を授かる——紀の国(いまの和歌山県)に伝わる、道成寺ゆかりのお話です。文は小説家の有吉佐和子さん、絵は日本画家の秋野不矩さん。
💬 教えてもらった思い出:『ねずみくんのチョッキ』『ぞうくんのさんぽ』と同じ方が、あわせて教えてくれた一冊です。
『しろいうさぎとくろいうさぎ』
文・絵:ガース・ウィリアムズ/訳:まつおかきょうこ/福音館書店/1965年/出版社のおすすめ年齢:4歳〜(絵本ナビ掲載)
森で毎日いっしょに遊ぶ、しろいうさぎとくろいうさぎ。くろいうさぎがときどき悲しそうな顔をする理由は、「いつまでも きみと いっしょに いられますように」という願いでした。結婚のお祝いに贈られることも多い絵本です。
💬 教えてもらった思い出:「子どものころ好きだった絵本」として教えてもらいました。
『かわいそうなぞう』|読む前に知っておきたいこと
作:土家由岐雄/絵:武部本一郎/金の星社/1970年(出版社のおすすめ年齢は絵本ナビに掲載なし)
戦争中の上野動物園で、3頭のゾウが殺された——本当にあった出来事をもとにした絵本です。国語の教科書で読んだ記憶がある方も多いと思います。毎年8月15日の終戦の日に、評論家の秋山ちえ子さんがラジオで朗読してきたことでも知られる一冊です。
ほかの8冊とは読後感がまったく違う本なので、まず大人が先に読んでから、子どもに渡すタイミングを考えるのがおすすめです。
💬 教えてもらった思い出:『ノンタンおばけむらめいろ』と同じ方が、あわせて挙げてくれた一冊です。
「絶版」と聞いた『くいしんぼうのロボット』を調べてみた
もう1冊、「図書室で読んだ。でも今は絶版」と教えてもらった本がありました。『くいしんぼうのロボット』です。
国立国会図書館のデータで調べてみると、同じタイトルで古田足日さん作・田畑精一さん絵、小峰書店から1968年に出た本が記録されていました。古田さんと田畑さんは、あの『おしいれのぼうけん』を作ったコンビです。
新品では見つからなかったので、読んでみたい方は図書館で探すのがいちばんの近道です。古い本でも、地域の図書館や学校の図書室に残っていることがあります。
読んでみてわかったこと
- 古さは関係なかった:50年以上前に出た『ちいさいおうち』『王さまと九人のきょうだい』も、息子はすごく気に入りました
- 小学生でも楽しめる本と、幼児のうちが合う本があった:3歳からの『14ひき』『ねずみくん』は大好評。いっぽう2歳から楽しめる『ぞうくんのさんぽ』と、迷路の『ノンタン』は反応がふつうでした
- 思い出は「出会った場所」とセット:本屋さん、幼稚園、学校の図書室。「どこで読んだか」まで一緒に教えてくれる方が多かったです
- お話より「絵」が残る:「内容より絵が好きだった」と教えてもらった14ひきのシリーズは、息子のいちばんにもなりました
わが家の結論|息子のいちばんは『14ひきのあきまつり』
6冊の中で、息子がいちばん気に入ったのは『14ひきのあきまつり』でした。秋の森のかくれんぼのお話なので、10〜11月に読むのにぴったりです。
『ちいさいおうち』『王さまと九人のきょうだい』は、出版社のおすすめ年齢こそ4〜6歳ですが、小学生になってからでも十分に楽しめる本でした。小学生の子と読むなら、まずこの2冊からがおすすめです。
懐かしい絵本は、贈り物にも向いています
「自分が子どものころに好きだった絵本を、わが子や友だちの子に贈る」——これは絵本ギフトの選び方として外れにくい方法です。何十年も読み継がれてきた本は、内容の確かさがすでに証明されていますし、「お父さん(お母さん)も子どものころ読んだんだよ」のひと言を添えられます。
クリスマスや誕生日に絵本を贈るときの選び方は、こちらにまとめています。


まとめ:思い出の絵本は、今の子にも届く
- Xで教えてもらった「子どものころ好きだった絵本」は9冊(+絶版の1冊)。うち7冊は1970年代までの本
- 息子と6冊読んで、4冊がすごく気に入った本に。いちばんは『14ひきのあきまつり』
- 小学生なら『ちいさいおうち』『王さまと九人のきょうだい』、幼児なら『ぞうくんのさんぽ』『ねずみくんのチョッキ』から
- 『かわいそうなぞう』は大人が先に読んでから
- 絶版の『くいしんぼうのロボット』は図書館で探せます



私が子どものころ読んだ本も、まだ普通に買えるんですね。今度、図書館で探してみます!



ぜひ。古い本だからと遠ざける必要はありませんでした。図書館なら、気軽に何冊も試せますよ。
Xでは、こんなふうに絵本にまつわる問いかけをときどきしています。あなたの思い出の1冊も、ぜひ教えてください。
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📚 絵本選びに迷ったら
年齢別・目的別の絵本の選び方は、こちらにまとめています。











