怪談えほんシリーズの中でも”静かな怖さ”が際立つ『帰り道』。有田奈央さんの文章と羽尻利門さんの絵が、どこにでもある「帰り道」の風景をじわじわと”違和感”に変えていきます。親子で楽しむ怖い絵本として、怖さと教育的価値を両立した作品です。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書名 | 帰り道 |
| 作者 | 有田奈央(文)・羽尻利門(絵) |
| 出版社 | 岩崎書店 |
| 対象年齢 | 6歳〜大人 |
| ページ数 | 32ページ |
あらすじ(ネタバレなし)
いつもの帰り道。同じはずの道が、なぜか今日は少し違う気がする——。見慣れたはずの景色に、小さな違和感が積み重なっていきます。
特別な怪物は登場しません。ただ「いつもと少し違う」という感覚が、読み進めるほどに不安を膨らませていきます。「帰り道」という日常的な場面だからこそ、リアルな怖さが生まれます。
羽尻利門さんの陰影を活かした絵が、夕暮れの帰り道の不気味な雰囲気を完璧に演出しています。読み終わった後、いつもの帰り道が少し変わって見えるかもしれません。
ぼく帰り道って毎日通ってるのに、この絵本読んだらなんか怖くなった。なんでかな?



「いつもと同じ」が「いつもと違う」になる瞬間の怖さだよ。怪談えほんの中でも特にリアルな恐怖を描いている作品だね。読んだ後にいつもの道を歩いてみよう。
パパ目線の感想・体験談
怪談えほんシリーズを読んできた中で、この作品は「日常の変容」という怖さを最もうまく描いていると感じます。派手なお化けより、「いつもと少し違う」という感覚の方がずっと怖い——大人になってから特にそれを実感します。
息子と読んだ後、「帰り道で何か変だと思ったらどうする?」という話になりました。「逃げる!」という答えが返ってきましたが、そこから「危ないと感じたら大人に言う」「暗い道は一人で歩かない」という安全教育の話題にも自然に発展しました。
怪談えほんシリーズは怖いだけでなく、こういった生活安全の話につなげられる点でも教育的価値が高いと思います。
こんな子におすすめ
- 怪談えほんシリーズが好きな子
- 日常の不思議・怖さに興味がある子
- 夏の夜の読み聞かせを探している
- 「ついてくる」が好きだった子の次の一冊に
- 小学生以上のホラー好きに
読み聞かせのポイント
違和感が積み重なっていくシーンは、少しテンポを落として読んでください。子どもが「あれ?」と気づく間を作ることが重要です。夕方や夜に読むと雰囲気が増します。
読み終わった後に「帰り道で変だと思ったことある?」と聞いてみてください。子どもの体験談が面白く、安全教育の話にも自然につながります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 何歳から読めますか?
6歳頃から楽しめます。内容を深く理解できる小学生からがより怖く・面白く感じられます。
Q2. 「ついてくる」と比べてどちらが怖いですか?
方向性は似ていますが、「帰り道」の方が日常の変容という点でよりリアルな怖さです。「ついてくる」は音の怖さ、「帰り道」は視覚的な違和感の怖さという違いがあります。
Q3. 怪談えほんシリーズを初めて読む方にもおすすめですか?
「いるのいないの」などの有名作品の方が入門向きです。「帰り道」はシリーズに慣れてきた方に特に楽しんでいただけます。
まとめ
『帰り道』は、日常の景色がじわじわと変容していく怖さを描いた怪談えほんシリーズの傑作です。特別なお化けは登場しないのに、読後に帰り道がいつもと違って見える——そんな余韻が長く残ります。
親子で楽しむ怖い絵本として、怖さと安全教育という教育的価値を両立した一冊です。



怪談えほんシリーズを通じて感じるのは、「日常の中に怖さがある」という視点の大切さです。帰り道もそのひとつ。子どもと一緒に「変だな」と感じる感覚を大切にしていきたいです。
