絵本『ララのまほうのことば』感想 2026年課題図書・小学校低学年の読書感想文にも

ララのまほうのことば

暑い夏の日、コンクリートだらけの街でバケツを持って歩く女の子・ララ。彼女には秘密があります——植物たちと「ことば」で心を通わせることができるのです。2026年度 第72回青少年読書感想文全国コンクール・小学校低学年の部の課題図書に選ばれた『ララのまほうのことば』(グレーシー・ジャン 文・絵)は、「やさしいことばがゆたかないのちをはぐくむ」というメッセージを、鮮やかな色彩と温かみのある物語で届けてくれる一冊です。

2022年エズラ・ジャック・キーツ賞(イラストレーター部門)を受賞した気鋭の作家グレーシー・ジャンが、言葉の持つ力と自然とのつながりを生き生きと描いた作品。読み終えたあと、子どもが「ことば」に対して少しやさしくなれる、そんな絵本です。

ぼく

ララってなんで草にしゃべりかけてるの?くさ、しゃべれないじゃん。

パパ

そうだね。でも読み終わったあと、なんか草に話しかけたくなってこない?

ぼく

……ちょっとなった(小声)。

パパ

(泣)それがこの絵本の魔法だよ。やさしいことばって、植物にも人にも届くんだよね。

目次

『ララのまほうのことば』はどんな絵本?あらすじ紹介

ララは草に水をやりながら「こんにちは、みどりのともだち」と優しく話しかけます。ところがお母さんに「また外で泥だらけになって!外に出てはいけません」と叱られてしまいます。外に出られなくなったララは、窓の外に向かって心の中から植物に語りかけます——すると、植物たちがまるでその声に答えるように、不思議な力を見せてくれて……。

「やさしいことばは、いのちを育てる」。その真実をありありと感じさせてくれる、ひと夏の小さな魔法の物語です。

厳しい暑さの夏。町の人々がぐったりとした顔で歩くなか、ひとりだけ元気いっぱいの女の子・ララがバケツを持って歩いています。向かった先は、コンクリートに囲まれた小さな空き地。そこには、ひっそりと草が生えています。

実際に読んでみた感想

ぼく

ララがいっぱいしゃべりかけてたら草がどんどん大きくなってた!ほんとにことばって魔法なの?

パパ

科学的には「植物に声をかけると育つ」って研究もあるんだよ。でもそれより、ことばをかけることでララ自身も植物も元気になっていくのがいいよね。

ぼく

お母さんに叱られてもあきらめなかったのすごかった。心の中からよびかけてたもんね。

パパ

そうなんだよ。声に出せないときも、心の中のことばはちゃんと届くって伝えてくれてる。それってすごく大事なメッセージだと思う。

ぼく

ぼくも植物に「おはよう」っていってみようかな。

パパ

(泣)ぜひ言ってあげて。きっと元気に育つよ。

  • 「やさしいことばがいのちをはぐくむ」という普遍的なテーマを、子どもの目線で描いている
  • エズラ・ジャック・キーツ賞受賞のグレーシー・ジャンによる鮮やかで生き生きとした絵が魅力
  • 読み終えたあと、子どもが「ことば」や「植物」に対してやさしくなれる

この絵本ならではの魅力

グレーシー・ジャンのイラストは、とにかく色が豊かです。暑さで疲れた街の灰色っぽいトーンと、ララが駆け寄る草むらの鮮やかな緑との対比が鮮烈で、「やさしいことばを受けた場所」だけが輝くような演出になっています。読んでいると、絵本のページそのものがじんわりと温かくなる感覚があります。

「ことば」をテーマにしながら、説教臭くならないのもこの絵本のすごいところです。ララは誰かに「ことばは大事だよ」と教わるわけではありません。自分が植物にかけたことばが返ってくる体験を通じて、子どもが自分の力でそれを感じ取ります。「言いなさい」ではなく「感じてみて」——その余白が、読んだ子どもの心に長く残ります。

また、都市の中の「小さな自然」という舞台設定も秀逸です。コンクリートだらけの街の片隅にある草むら。そんな場所でも命は育つし、ことばはとどく——そのメッセージは、自然豊かな場所に住んでいない子どもにも等しく届きます。「自分の周りにも小さな自然があるかも」と気づかせてくれる一冊です。

こんな子・こんな家庭におすすめ

  • 小学校低学年(1・2年生):2026年課題図書のため、読書感想文の題材としてぴったり
  • 言葉遣いや友だちへの接し方について、一緒に考えるきっかけにしたい親御さんに
  • 植物・自然が好きな子ども、ベランダや庭で植物を育てている家庭に
  • 外国の絵本の色彩豊かなアートに触れさせたいご家庭に
  • 「ことばは大事」と伝えたいけれど、説教ではなく物語で感じてほしい親御さんに
💡 読書感想文を書くヒント
  • 自分が植物や動物、友だちに優しい言葉をかけた(またはかけられた)経験と重ねて書いてみよう
  • ララが外出を禁じられてもあきらめなかった理由を考えてみよう
  • 「まほうのことば」とはどんな言葉だと思うか、自分なりの答えを書くのもおすすめ

まとめ:やさしいことばが、世界を変える

『ララのまほうのことば』は、2026年課題図書(小学校低学年の部)に選ばれた、「ことばの力」と「自然へのやさしさ」を鮮やかに描く絵本です。受賞歴のある作家グレーシー・ジャンのイラストは、ページをめくるたびに子どもの目を引きつけ、物語のメッセージをじんわりと届けてくれます。読書感想文の題材としてはもちろん、日々の言葉遣いや自然との関わり方を親子で話し合うきっかけにもなる、大切な一冊です。

ぼく

ぼく、明日からベランダのトマトに「おはよう」って言う!

パパ

(泣)それがまほうのはじまりだよ。きっと元気においしく育つよ。

書籍情報

タイトルララのまほうのことば
文・絵グレーシー・ジャン
翻訳矢野彩子・三辺律子
出版社工学図書
シリーズ山烋のえほん
ISBN978-4-769-20514-2
対象年齢小学校低学年(1・2年生)〜
受賞2022年エズラ・ジャック・キーツ賞(イラストレーター部門)/第31回いたばし国際絵本翻訳大賞
2026年課題図書小学校低学年の部(第72回青少年読書感想文全国コンクール)
目次