絵本『まだまだここから』感想 2026年課題図書・小学校中学年の読書感想文にも

まだまだここから

「頑張ったのに、なぜ選ばれなかったの?」水泳が得意なのに特訓生になれなかった主人公・蓮の悔しさは、読んでいるこちらの胸にもぐさっと刺さります。2026年度の青少年読書感想文全国コンクール・小学校中学年の部の課題図書に選ばれた『まだまだここから』(宇佐美牧子・作、酒井以・絵)。努力が報われなかったとき、そのがんばりは本当に無駄になってしまうのか…ひと夏をかけて問い続ける蓮の姿が、読む子どもの心にじんわりと届きます。

水泳・友情・兄弟関係という身近なテーマを通じて「がんばることの本当の意味」を描いた作品です。読書感想文の題材としてはもちろん、くじけそうなときに子どもと一緒に読みたい一冊です。

ぼく

れん、水泳うまいのに特訓生に選ばれなくてかわいそうだった……。

パパ

悔しいよね。でも、その悔しさが全部むだじゃないって気づいていくのがこの本のテーマなんだよ。

ぼく

がんばっても選ばれないことってあるの?弟に負けちゃうのやだな……。

パパ

あるんだよ、そういうことが。でも、そのがんばりはどこかで絶対につながってる…って蓮が少しずつ気づいていくんだ。

ぼく

ぼくも水泳でまけたときのきもち、すごくわかった気がした。

パパ

(泣)それを感じてくれたなら、この本読んで正解だったよ。

目次

『まだまだここから』はどんな本?あらすじ紹介

主人公は小学4年生の蓮(れん)。運動は得意ではないけれど、水泳だけはちょっぴり自信がある男の子です。

スイミングスクールで特訓生になれるチャンスが訪れ、蓮は一生懸命練習して選抜検定に臨みます。しかし結果は——選ばれたのは蓮ではなく、弟の凛(りん)でした。

「あんなに練習したのに、なんで?」ショックと悔しさを抱えた蓮は、夏休みに市民プールで陽太・海音という新しい友だちと出会います。友人・家族・コーチとの交流を通じて、蓮は少しずつ「がんばることの本当の意味」を見つけていきます。宇佐美牧子さんのことばと、酒井以さんのあたたかな挿絵が、蓮のひと夏の気づきをやさしく描き出す物語です。

¥1,540 (2026/04/12 07:05時点 | Amazon調べ)

実際に読んでみた感想

ぼく

れんがいっぱい練習したのに弟が選ばれちゃうのが、すごくつらかった。

パパ

そうだよね。蓮の気持ち、わかった?自分だったらどんな気持ちになる?

ぼく

絶対やだ……泣くかも。でも蓮はプールで友だちできてよかった。

パパ

そうなんだよ。特訓生に選ばれなかったからこそ、市民プールに行って陽太や海音と出会えた。あの夏がなかったら、その出会いもなかったんだよね。

ぼく

がんばったことがむだじゃなかったってことか……!

パパ

(泣)そう!「まだまだここから」って、終わりじゃなくて新しいスタートだって気づかせてくれることばなんだよ。読んでてパパも胸が熱くなったよ。

  • 「努力が報われない悔しさ」を弟との比較というリアルな形で描いているのが秀逸
  • 水泳・夏休み・市民プールという子どもに身近な舞台設定で感情移入しやすい
  • 「まだまだここから」という言葉が、読後も子どもの心に残り続ける

この本ならではの魅力

この物語のいちばんの核心は、「頑張りが認められなかったとき、その努力は本当に無駄なのか?」という問いです。蓮はスイミングの特訓生に選ばれなかったことで深く傷つきますが、それは「終わり」ではありませんでした。市民プールという新しい場所に足を踏み出したからこそ出会えた友人、そこで積み重ねた経験…蓮のひと夏は、その問いへの答えを少しずつ形にしていきます。

宇佐美牧子さんの文章は、子どもの心の動きを丁寧に、押しつけがましくなくすくい取ります。蓮が弟の凛に対して感じる複雑な感情、単純な嫉妬でも憎しみでもない、もっとぐにゃっとした気持ちの描き方が特にリアルで、読んでいる子どもが「あ、これ自分も感じたことある」と気づく瞬間がきっとあるはずです。

また、市民プールという「ひらかれた場所」での出会いが物語に解放感を与えています。友だちの陽太・海音との交流を通じて、蓮は自分のいた世界がいかに狭かったかを知り、失敗は新しい扉を開くきっかけになりうることを体感していきます。読み聞かせのあとに「あなたにも似た経験ある?」と問いかけると、子どもの気持ちがぽろっとこぼれ出てくる、そんな余白のある一冊です。

こんな子・こんな家庭におすすめ

  • 小学校中学年(3・4年生):2026年課題図書のため、読書感想文の題材としてぴったり
  • 頑張ったのに結果が出なくて落ち込んでいる子どもに読んであげたい
  • きょうだいの差や比較で傷ついた経験がある子に
  • 水泳・スポーツに取り組んでいる子どもを持つ家庭に特におすすめ
  • 「がんばれ」以外の言葉で子どもを励ましたい親御さんに
💡 読書感想文を書くヒント
  • 「自分が頑張ったのに認めてもらえなかった経験」と蓮の気持ちを比べて書いてみよう
  • 特訓生に選ばれなかった蓮が、夏の終わりにどう変わったかに注目してみよう
  • 「まだまだここから」というタイトルの意味が、読み終えてどう変わったかを書くのもおすすめ

まとめ:がんばったことは、きっとどこかでつながっている

『まだまだここから』は、2026年課題図書(小学校中学年の部)に選ばれた、「努力が報われなかったとき」の本当の意味を問い直すひと夏の成長物語です。水泳・弟との競争・新しい友だちとの出会いを通じて、主人公・蓮が少しずつ立ち上がっていく姿は、読む子どもの心にじんわりと勇気を届けてくれます。読書感想文の題材としてはもちろん、くじけそうなときに親子で手に取ってほしい一冊です。

ぼく

れんみたいに、ぼくも負けてもまた「まだまだここから」って思えるようになりたい。

パパ

(泣)それを聞いてパパも「まだまだここから」って思えたよ。ありがとう、この本と出会えてよかった。

¥1,540 (2026/04/12 07:05時点 | Amazon調べ)

書籍情報

タイトルまだまだここから
宇佐美牧子
酒井以
出版社ポプラ社
シリーズポプラ物語館
価格1,540円(税込)
ISBN978-4-591-18596-4
対象年齢小学校中学年(3・4年生)〜
2026年課題図書小学校中学年の部(第72回青少年読書感想文全国コンクール)
目次