夕方の帰り道、後ろから「ひた、ひた」とついてくる気配…。 小川育さんの絵本『ついてくる』は、子どもも大人も“帰り道が少し怖くなる”タイプの怪談絵本です。 怖さはありつつ読みやすく、低学年の怪談入門にもおすすめの良質ホラー絵本です。
📖 この絵本との出会い
7歳の息子が図書館で「これ絶対こわいやつ!」と言って持ってきたのが『ついてくる』でした。 表紙の薄暗い色づかいや、後ろを気にする男の子の表情に、私も思わず手が止まりました。 ページを開くと、静かなのに緊張感がじわじわ迫ってくる雰囲気に、親子ともにゾクッ…。 “何かがついてきている気配”を描く構成に、息子は夢中でページをめくっていました。
📚 こんな場面におすすめ
- 👦 初めての“こわい絵本”に挑戦したい子へ
- 🌆 帰り道や夕方の雰囲気が好きな子に
- 😨 驚かせすぎず、ちょうどよい“ゾクッ”を味わいたいとき
- 📚 読み聞かせで緊張感のあるストーリーを楽しみたいとき
📘 絵本の内容
遊びに夢中になっているうちに、外は薄暗くなってしまいます。 「早く帰らなくちゃ」と家へ急ぐ男の子。 すると――
「ひた、ひた」「かさ、かさ」「くわ、くわ」 後ろから、何かが“ついてくる”音が聞こえてきます。
住宅街、橋の下、トンネル、人けのない林…。 通る場所が変わっても音は消えず、男の子の胸の中の不安はどんどん大きくなっていきます。
ページをめくるたびに、 「え…誰かいる?」 「なんだ、違った…」 という恐怖と安堵のくり返しが続き、読者の緊張感も高まります。
そして最後、ついに“ついてくるもの”の正体が明らかに…。 恐怖よりも「そういうことか…!」と納得できるラストで、子どもも安心して読み終えられる構成になっています。

「静かなのに怖い、絶妙なホラー絵本。」
驚かせるタイプではなく、“気配の怖さ”を描いているところが素晴らしいです。 息子と読んでいても、ページをめくる手がだんだんゆっくりになり、二人で一緒にドキドキ…。 最後はほっとできるので、怖いのが苦手な子にもおすすめできる作品です。

「ついてくる音がほんとうに聞こえそうでドキドキした!」
“ひたひた”って音がこわかったけど、最後のオチで「えっ、そうだったの!?」ってなった。 こわいけど、また読みたくなった!
⭐ 絵本レビュー評価(5段階)
| 怖さ | ★★★★☆ |
|---|---|
| 読みやすさ | ★★★★★ |
| ストーリー | ★★★★☆ |
| 絵の雰囲気 | ★★★★★ |
| 子どもウケ | ★★★★☆ |
🔍 まとめ
『ついてくる』は、子どもでも読める怖さと安心できるラストのバランスが抜群の怪談絵本です。 「何かわからないものがついてくる」怖さは、読者の想像力を刺激し、読み終わってもしばらく余韻が残ります。
怖い絵本が好きな子にも、これから挑戦したい子にもおすすめできる、 “怪談入門に最適の一冊”です。
📝 絵本データ
- 作品名:ついてくる
- 作者:小川 育
- ジャンル:こわい絵本/妖怪絵本/怪談絵本
- 対象年齢:5歳〜小学生


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