『十二支のはじまり』は、どうして干支がこの十二の動物になったのかを、子どもにも分かりやすく教えてくれる昔話絵本です。 神さまのおふれに集まる動物たちの性格やかけひきがユーモラスに描かれていて、笑いながら干支の順番を覚えられる一冊です。
📖 この絵本との出会い
お正月前に「干支ってなに?どうしてトラとかウサギなの?」と息子に聞かれ、図書館で見つけたのが『十二支のはじまり』でした。 表紙には、ねずみ・牛・虎・うさぎなどおなじみの動物が勢揃い。 ページをめくると、ねずみのずる賢さや牛のまじめさ、猫のうっかりなど、性格がよく出ていて親子でクスッと笑いながら読めました。 「なんで猫はいないの?」といった子どもならではの疑問にも、昔話らしい形で答えてくれる絵本です。
📚 こんな場面におすすめ
- 🎍 お正月や年末年始の読み聞かせに
- 🐭 干支や暦(えと)について子どもに説明したいとき
- 📗 昔話や民話が好きな子に
- 👦 動物がたくさん登場するお話を楽しみたいとき
📘 絵本の内容
ある日、神さまが「正月の朝、一番早く御殿に来た順に十二支の大将にする」というおふれを出します。 動物たちは大さわぎ。「今度こそ一番になるぞ」と、みんなやる気まんまんです。
ねずみは自分の足では勝てないと考え、こつこつ者の牛の背中にこっそり乗りこみます。 牛はまじめに夜のうちから歩き出し、誰よりも早く神さまの御殿に到着。 ところが門が開いた瞬間、ねずみがピョンと飛び降りて先に駆け込み、一番はねずみ、二番は牛になってしまいます。
そのあとには力強い虎、跳ねる兎、空から飛んできた龍、龍に頼んで雲に乗せてもらった蛇、かけっこの馬や羊、猿・鳥・犬・猪と続き、十二の動物が決まっていきます。
一方で、猫はねずみに日にちをひとつ遅く教えられたため、御殿に着いた時にはもう遅く、十二支に入ることができませんでした。 狐や狸なども間に合わず、残念ながら選ばれません。 こうして、今も続く十二支の順番が決まったのでした。

「干支の話が“覚えるもの”から“楽しめる物語”になった。」
自分が子どものころは「ね・うし・とら・う…」と語呂で覚えた干支ですが、この絵本はそこにちゃんとした物語を与えてくれます。 ねずみのずるさや牛のまじめさ、猫のちょっと残念なところなど、性格づけがはっきりしているので子どもも覚えやすい。 「来年は何どし?」という会話のきっかけにもなり、季節の読み物として1冊あるといいなと感じました。

「ねずみ、ずるすぎ!でもおもしろかった!」
牛がいちばんがんばってるのに、ねずみが先に入っちゃうところが「えー!」ってなった。 猫がかわいそうで、さいご「ねずみゆるさない!」ってなったけど、お話としてはおもしろかったよ。
⭐ 絵本レビュー評価(5段階)
| ストーリー | ★★★★★ |
|---|---|
| わかりやすさ | ★★★★★ |
| 子どもの食いつき | ★★★★★ |
| 学び・知識 | ★★★★☆ |
| 読み聞かせ向き度 | ★★★★★ |
🔍 まとめ
『十二支のはじまり』は、干支の順番を楽しく覚えられる昔話絵本です。 ただ覚えるだけでなく、「どうして猫はいないの?」「なんでねずみが一番?」といった子どもの素朴な疑問にも物語で答えてくれるので、お正月前後の読み聞かせにぴったり。 動物たちの性格や表情も豊かで、何度も読み返したくなる一冊です。
📝 絵本データ
- 作品名:十二支のはじまり
- テーマ:干支・昔話・日本の行事
- 対象年齢:4歳〜小学校低学年
- ジャンル:昔話絵本/行事絵本


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